【図形感覚】ピグマリオンのペリカンパズルの使い方をレベル順に解説します

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ピグマリオンで未就学児の図形感を養うために用いられているペリカンパズル。こちらのパズルは、「ただ見本通りに作れば終わり」ではとても勿体ない教具(学具)だと思います。今回の記事では、そんな「隠れた名作」であるペリカンパズルについて紹介をしたいと思います。

ペリカンパズルとは?

ピグマリオンが開発した木のパズルです。

このパズルを組み合わせることにより、半円や、円、正方形、ひし形を形づくることが出来ますので、図形の名前を知るきっかけにも役立ちます。

ピグマリオンのプログラムの中では、特に曲線と直線の違いや図形の角度を子どもが実感できるよう開発されています。

お手本を併用することで、図形を認識する能力だけではなく、空間把握能力も同時に育成されることが期待されています。

ペリカンパズルを構成するピースの特徴

ペリカンパズルは、扇形や長方形、直角二等辺三角形、二等辺三角形が青や白に表裏にプリントされたピースからなる16枚を使って行うパズルです。

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ペリカンパズルのバリエーション

ペリカンパズルは、見本通りに形を作るのが最もベーシックなパターンですが、正直それだけで終わらせるのは勿体ないパズルです。

慣れてきたら、さまざまなバリエーションを作ることで図形感覚が養われますので、その例を紹介をしたいと思います。

シンプルな模倣

まずは、「うぐいす」という見本がある場合、最もシンプルな模倣は以下のように作ります。

白黒反転(青白反転)

バリエーションとしては、最も簡単にできるのが白黒反転(青白反転)です。シンプルな模倣に慣れてきたら、最初に行いたいバリエーションです。

左右鏡・上下鏡

白黒反転の他のバリエーションとしては、鏡があります。こちらは、左右鏡。

そして、左右の鏡があります。

なお、澤家では2セット購入しているため、このような例を紹介していますが、実際は紙の見本に対してペリカンパズルを使用する形で実践していきます。(下記以降の紹介でも、ペリカンパズルを2セット使用して紹介していきます)

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90°回転、180°回転、270°回転

鏡に慣れてきたら、回転にもチャレンジすると良いと思います。

まずは、90度回転から。

そして、270度回転(反時計回りに90°回転)。

そして、180°回転もチャレンジもできます。

たまたまですが、うぐいすの場合は白黒反転と同じですね。こういうのも図形に対する感覚を養う上で、貴重な体験になると思います。

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白黒反転×鏡絵or回転

白黒反転や鏡絵、回転に少しずつ慣れてきたら、二重課題に取り組むことができます。

白黒反転×左右鏡。

そして、白黒反転×90°回転。

このように、一つの「うぐいす」という見本からでも、紹介しきれないくらい様々なバリエーションが出来るのが、このペリカンパズルの見本です。

その意味で、3歳頃から年長・小学生、そして高齢者の認知症予防まで、楽しみながら脳トレが出来る知育玩具といえると思います。

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ペリカンパズルの使い方

レベル1 4ピースから6ピース

まずは、シンプルに見本通りに4ピースや6ピースのパズルを作れるようにします。

左は「ねこ」、右は「つる」

ピグマリオンでは、4枚の時には箱の中で作ることが推奨されているようですが、6枚以降は箱の中で作れないため、あまり気にせずに取り組んでいました。

同じピース数でも、多少難易度が違いますが、遊び感覚で取り組みつつ、4枚から6枚レベルでの取り組みでは、ペリカンパズル自体に慣れてもらうことが大事だと思います。

左は「とうろう」、右は「すずめ」

ピグマリオン教材のカリキュラム通りにやる場合には、そのペースに応じて進めていけば良いと思いますが、家庭学習で進める場合には、とにかく「無理なペースで進めない」ことが大事だと思います。

もちろんセンスのあるお子さまは、最初から白黒反転や鏡に挑戦するのもありだと思います。娘もたまにチャレンジしていました。

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レベル2 9ピースと4〜6ピースの白黒(青白)反転、鏡

9ピースになると、少し複雑になってきますが、4ピースや6ピースでのペリカンパズルでの取り組みの延長でできるかと思います。

左は「ウサギ」、右は「チューリップ」

作業の中で、様々な形に触れ合うことができ、このレベルが出来る頃には応用力がついてきているはずです。

シンプルな見本の模倣だけではなく、4ピースや6ピースで良いので、白黒反転や鏡絵にチャレンジしていくと良いと思います。少ないピースで白黒反転や鏡絵ができたら、おそらく9ピースでも出来るようになると思います。

また、慣れてきたら回転にチャレンジするのもありだと思います。

鏡に慣れてきたら、PYGLIシリーズの「鏡絵」や「水面の鏡」にチャレンジすることで、具体物とペーパー学習の両立ができるように思います。

レベル3 12ピースと4ピースや6ピースの白黒反転×鏡・回転

レベル2の取り組みがスムーズにいけば、あとは12ピースの見本に取り組みつつ、白黒反転×鏡や白黒反転×回転などの二重課題にチャレンジしていけば良いと思います。

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ペリカンパズルで鍛えられるメンタルローテーション

ペリカンパズルは、角の概念などへの理解が深まる学具ですが、反転や鏡絵、回転などのバリエーションの取り組みを通じてメンタルローテーションの能力が高まることが期待できます。

メンタルローテーションとは、日本語に訳すと「心的回転」と呼ばれますが、二次元または三次元の物体を心的に回転させる能力のことです。

脳科学においては、図形を頭の中でクルクル回す能力は訓練によって鍛えられ、それが

・他者の分析能力
・自己の観察力
・抽象的な論理思考力

に繋がるとされています。

メンタルローテーションの能力は、論理力や算術力、問題解決力とも研究によって相関することが確認されていますが、ユーモアへの理解も含めた、いわゆる「地頭の良さ」の源泉になっています。

前述したPYGLIの「水面の姿」の前書きにも、

”「鏡絵」や「水面の姿」を解くために必要である、空間把握能力が1次元レベルであれば、1人称レベルの言語能力と思考力と人間性しか持つことが出来ません。

自己中心的な人間が自分のこと、つまり1人称でしか語れないのは、自分のことしか考えていないからです。それに対して、空間把握能力が3次元レベルであれば、3次元レベルの言語能力と思考力と人間性を持っているわけで、その能力を持つ人間は、自分のことだけでなく、他人のために生きることができる人間です。”

ということが書かれていて、まさに同じことを述べていると思いました。

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ペリカンパズルのオススメ片付け習慣

ペリカンパズルは、パズルをしている時だけではなく、お片付けでもこのように円を作ったり、

正方形を作ったり、

長方形を作ったり、

菱形を作ったりと、

同じパネル・4枚で形を作りながらしまう習慣を作るだけでも、図形感覚が養われます。

少し慣れてきたら、違う組み合わせで片付けることで、より図形感覚が強化されるかもしれません。

これらの図形に慣れ親しむことで、

将来、図形の面積を問うような問題が出てきた時に、

サッと、解き方が浮かぶような効果が期待できるように思います。

また、「複数の形の組み合わせで、違う形ができる」という体験を自然と増やすこともできます。

さいごに

今回の記事では、ペリカンパズルの多様な使い方を紹介し、これが「メンタルローテーション」の能力育成に役立ちそうだということを紹介しました。

個人的には、ピグマリオンのカリキュラムに沿って学ぶのが一番だとは思いますが、家庭学習の副教材として使うことも出来るとは思いますので、この記事がどなたかの参考になっていれば幸いに思います。

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